1012年10月~2011年12月分です。


95点!

中2のK君が、「英語のテスト、95点だった。」と、さりげなく言いました。
先週の中間テストどうだった、という話をしていて みんなそれぞれまあよかったという反応だったのですが、 K君の言葉に私は思わず拍手してしまいました。
1年生のころは、単語のつづりが覚えられず、テストはいつも平均点すれすれ。 テストしてみたら聴覚で覚えるタイプだったので、音で書く練習をするようアドバイスしたりして 2年になってから、なんとか80点が取れるようになってきていました。
10月の英検3級を受けるというので過去問をやってみたところ、問題なく解いていたので、 多読の成果をぐっと感じていたところでした。 学校のテストでいい点を取るのは、テスト前に頑張らないと難しいです。 でも、彼の場合、テスト前にやるように言ったワークブックもあまりちゃんとやっていなかったのに、 単語のミススペル2問と英作文のミス1問のみで、とてもよくできていました。
昨日のテスト明けのクラスでは、持ち帰った本をちゃんと読んできただけでなく Twitter形式の簡単日記もちゃんと5日分書いてきていました。 また、レッスン中の多話の活動のときも、以前よりたくさんの語数を話していました。
自信をつけてくれたかも。それが何よりうれしいです。
彼の力を誰よりも知っていると思っているので、それが形になったことが本当にうれしいです。
こうやって、それぞれの子供たちのそれぞれの成長、ブレイクスルーを間近で見られることが何より楽しいです。 自分のやっているやり方が間違っていないと信じられることが何よりうれしいです。
2012-10-11 PageTop


復活

パソコンとホームーページの不具合が重なり、ブログの更新ができずにいました。
ホームーページを作ってくれた息子が大学の寮に入ってしまったため、今日までメンテナンスを頼む機会がなかなかなく、 今、ようやく久しぶりにブログを書くことができています。
半年前のブログを見て、自分の取り組みにもだいぶ変化が出てきたことを感じます。
大きく変わったのは、8月に行われた多読の集いでの、いくつかの高校での多書、多話の取り組みについての発表を聞いてからです。 実践している公立高校に行って、生徒と同じ多書、多話も体験しました。
また、自分が5月から多書を実行してきて、その効果を実感できてきたことも、研究発表の理解を大きく促してくれました。 要は、少し認知されてきている多読、多聴に加え、多書、多話を絡めた方が、英語のFluencyがよりスムースに促されるということです。 多読、多聴だけだと、会話ができるようにはなかなかなりません。 会話はやはり、口の筋肉を使って実際に喋らないことにはできるようになりません。 もちろん、聞き読みをしながらシャドーイングもいいのですが、実際の会話でやり取りして、自分で自分の気持ちや意見を表現する機会を作る必要があります。
書くことも、やはり同じです。 読書好きだからと言って、日本語でも素晴らしい文章が書けるわけではないのと一緒で、英語も自分で書いてみないと書けるようにはなりません。
大切なポイントは、あくまで”多読的”に取り組むということです。
①辞書はひかない。
②わからないところは日本語でOK.
③スムースさを重視。間違っていても、訂正、添削はしない。
とにかく、たくさん、たくさん、読んで、聴いて、書いて、話す、そして、それを全部同時に進めること。
これが、この夏、自分で実感し、研究発表で裏付けもされた、自分にとっては画期的な発見でした。
9月からのレッスンで早速多話を導入しました。 中学生には多書も導入しつつあります。
子供たちの反応は?
多話については、中学生は最初かなり抵抗があったようですが、日本語OK、語数もカウント、1分間、という要領でやってみたら、 意外と楽しそうにしゃべりだしました。 そして、あれ、意外としゃべれる、と気付いたようです。
楽しむこと、それが、何を学習するにも一番大切。楽しければ続く。 語学は使って学ぶもの。楽しくずっと続けるために、一番いい方法をこれからも模索していきます。
2012-09-23 PageTop


BBカード

私の英語のレッスンでは、BBカードという教材を使っています。 イラストカードと、対になった英文カードがそれぞれ、トランプのダイヤ、ハート、クラブ、スペードと同じ記号に分れ16枚ずつ、 計64枚でで構成されていて、遊ぶゲームはトランプゲームなら何でも、それ以外にも、この教材を使っている先生方が使い方を考えてシェアしています。
子供たちはゲームやりたさに、カードのセンテンスをひたすら唱えるので、いつの間にか全部のセンテンスを覚えてしまいます。 ただ、内容を正確に理解しているかというと、そういうわけではなく、多読を並行して使うと有効なのかな、と思っています。
その有効さを実感できた例があります。 昨日、9才の息子に、一緒に自転車に乗りながら、"It is too cold to ride a bike."と言ってみました。 BBカードの中に、"It was too cool to go to the swimming pool."というセンテンスがあるのでちょっと変えて言ってみたのです。 息子は何となく、自転車で出かけるのは寒い、という意味は分かりましたが、正確な意味は分かっていないようでした。
彼は、BBカードのセンテンスはほぼ全部正確に言えます。 でも、それは、全てを正確に理解しているわけではないということです。
帰ってから、12才の娘に、同じセンテンスを言って、どんな意味か分かるか聞いたら、正確に日本語で表現してくれました。 "It is too hot to eat."も同様でした。 BBセンテンスの中で一番難易度の高い(文法的に)と思われるセンテンスの意味を聞いてみたら、それもしっかり日本語で表現できました。 "These are the stamps that Father got.(BBカードのセンテンス)"
"This is the pen that my husband gave to me."
考えてみたら、関係代名詞は子供向けの本にもどんどん出てきます。 多読をすれば、そのくらいの文法は教えなくてもすんなり正確に理解できるということです。
娘は70万語位読んでいます。 やはり皆には多読をする上で、数十万語を、できれば中学卒業までに読んでほしいなと思ってしまいます。 ただ、息子も語数稼ぎに娘と同じくらいの語数を読んでいますが、まだあまり正確には分からないようで、 語数はあくまで一つの目安で、何万語読めばこのレベルになります、といえるものではありません。
年齢に合った読み物をたくさん読むこと、そうすれば日本語と同じように英語も英語のまま意味を理解するようになることだけは確実です。
2012-03-22 PageTop


多読の先生の輪

先日、月に数回多読指導のボランティアに言っている渋谷にある中高一貫校の先生が、 多読授業の運営について広く意見を聞きたいと、メーリングリストにコーヒーミーティングの場を告知して先生を募りました。
酒井先生を始め、多読指導では実績をあげている公立高校の先生や、児童英語の先生、世田谷多読クラブの運営をやっている方など、 10数名の参加がありました。 渋谷の学校からは、教師3名、図書館の司書まで参加されて、白熱したやりとりがとても面白い会になりました。
学校の先生からすると、ほとんどマンツーマンで多読を指導している児童英語の先生の意見は目からうろこの貴重な情報になるようです。 こちらとしては、30人もの生徒を一度に指導するのはかなり難しいのに、よく実績をあげていると思うのです。
その時に、両者で合意したのは、多読は最初が大切で、いかにかんたんな本をたくさん読むか、それをしっかりと理解させることが第一だということです。 ボランティアに入っていて、中1のクラスのほぼ全員がFRLを読んでいて、私は危機感を覚えたのですが、 そういう感覚は寄り添って指導しないと生まれないことが分かりました。 また、無理してレベル以上の本を読んでいる子に、簡単な本を読んでもらう難しさも感じています。
小学生は無理をしないので、難しい本を持って行って無理だと分かると次は簡単な本を持って行ってくれます。
中学生にはプライドもあるので、人の目を気にしてなかなか素直に自分のレベルの本を読めない雰囲気がどうしても邪魔をします。 最初に、語数稼ぎではなく、いかに語数の少ない本をたくさん読んで基礎力をつけることが大事かをよく理解させ、 授業の中でも、一人ひとりの様子をよく観察して、うまく読めている子を励まし、無理している子には無理しなくていいと安心させる指導をすることが、 多読を有効に進めるカギだと共通認識を持つことができました。
会に参加してみたら、知らない人は2人だけで、どこかでつながっている人ばかりでした。 酒井先生は、メーリングリストに、今回のような会が多読をやっているいろんな学校で開催されて、お互い参加することが とても有効だと呼びかけていました。 そこから先生同士が直に意見を交換してまた新しい力が生まれると、私も思います。
2012-03-20 PageTop


だれでも多読 武蔵野

昨年末から、近所の武蔵野プレイスという新しい市立図書館で多読の場を設けたいと活動してきました。
最初は直接、武蔵野プレイスに働きかけ、副館長さんが酒井先生と私の話を聞いてくれたのですが、 その後全く動く気配はありませんでした。
そこで、今年に入ってから、中学生と小学生のお子さんのいる市議さんにコンタクトを取って、 多読を取り入れてもらえるよう、市から図書館に働きかけてもらいたいとお願いしました。 市議さんはとても興味を持って下さったのですが、やはり年度末で忙しいこともあるのか 全く動いてくれる気配がありませんでした。
それで、武蔵野プレイスで市民活動団体を登録し、3階の団体用の場所を自由に使えるようになったので、 三鷹市で3月に発足したばかりの多読の会をお呼びして、先週土曜日に武蔵野プレイス1回目の多読の会を開きました。 酒井先生も驚かれるほど急展開で実際に武蔵野プレイスで多読の会を催すことができ、 また、その会が私が思い描いていたような良い雰囲気の場になったのでとてもうれしく思っています。
参加者は子供も入れると20人くらいで、中には初心者の方もいました。 酒井先生は初心者だけ少し離れた机に集め、文字の無いORTの絵本から、絵をしっかり見るように指導していました。 他の方には、一人ずつ感想を聞いて、カルテのように一人ずつ進捗を記録しながら次回どんな本を読むかを指導していました。 2時間の間先生は一人ひとりの間を行ったり来たり、じっくりと見てくださったので、 むしろ電通大でやっていただれでも多読よりはていねいに指導していただけました。
7月に酒井先生の活動拠点がNPO法人になれば、今のように自由に先生の本を借りるのも難しくなるし、 先生への謝礼も高くなる可能性がありますが、それまでに広く多読の楽しさを知っていただいて、 土曜日の午前中に武蔵野プレイスの3階に行けば、英語の本が読めて、仲間と情報交換ができる、 という恒例の場にしていけたらと思います。 何も決まる前に動き出してしまいましたが、動いているうちに方向が定まってうまくいく気がします。
興味のある方、ぜひおいで下さい。 初めての方は、日程や時間帯が変更になっているかもしれないので、メールでご連絡下さいね。
2012-03-20 PageTop


中3受験結果!!

自分の子供の時も、発表の日は緊張しましたが、初の教え子の合格発表は、また緊張するものですね。
朝からそわそわ。 11時過ぎに、合格の第一報。 ちょっと難しいかも、と、学校の先生から言われたけれど、志望を変えずに目指した高校でした。 おめでと~と叫んでしまいました。
ところが、次の一報が入らない。 昼を過ぎても夕方になっても入らず、 落ちて泣いてるんだろうかと心配で仕方なくなった頃、 相次いで、合格の報告がありました。 合格発表の後、すぐに合格者は手続きがあったり制服の採寸があったり、中学に戻ったり、 忙しくしていて、連絡を忘れたらしい。 3人とも第一志望に合格だったので、まあいいか。
英語のテストは同じ問題を1問、3人とも一緒に間違えていましたが、後は作文の小さなミスくらいでよくできていたようです。 最後まで多読、シャドーイングに頑張っていました。
明日、発表後初めて顔を合わせるので、会うのが楽しみです。 前回のレッスンは合格発表の1日前で、3人とも自信がなくてどよーんとしていたのももはや笑い話。
受験は大きな試練ですが、乗り越えると新たな自信と充実感が得られて、 15歳の今受けるのは悪くないなあと思います。 多分もし落ちてしまっても、その悔しさをばねに、高校に入ってから頑張ったと思います。 でも、やっぱり合格して喜ぶ顔を見られるのは何より一番ですね! おめでとう!
2012-03-05 PageTop


多読ボランティア

渋谷にある私立中高一貫校に多読授業のボランティアに入っています。 月に2,3回、中学1、2年生のクラスに入って、担当の教諭の補佐をしています。
最近帰国子女が多く入学し、多読の行われている学校として雑誌にも取り上げられる学校ですが、 実際には多読をよく理解している教諭は1人だけで、その方もご自分が実際に多読をしているわけではなく 多読用図書についてはあまりご存じないようです。
先日行った時は、新任の教諭で多読の事を全く分かっていらっしゃらず、 ただ読ませていればいいんでしょ?という感じで驚きました。
クラスによっては静かに熱心に読んでいます。 かと思うと半分の生徒は生徒同士で話をしたり、あまり集中していないクラスもあります。
静かに読んでいるクラスは、中1なのにFRLなどの語数の多い本を読んでいて、 最初は驚いていたのですが、よく見ていると、何分もページをめくっていない、逆にページをめくるのが早すぎる(文章を読んでいない)、 明らかに眠くて仕方ない(レベルがあっていない)と思われる生徒が何人かいることに気付きました。
ただ、そんな生徒に声をかけて簡単なレベルの本を勧めたりすると、周りの視線を気にする そぶりを見せます。 「簡単だと思うけど、日本語に訳さず英語のままスルスル読みとる練習だよ」と説明しつつなんとか読んでもらいます。 全員が一様に同じようなレベルの本を読んでいるのは、明らかに不自然で、何人かは 無理をして読んでいるようでした。
多読の一番大切なところが抜け落ちていて、これでは生徒にとっても楽しめず力も付かないと危惧しています。
多読を進めるには適切な支援が必要だと思います。 3原則にならって、無理せずなるべく低いレベルをたくさん読んで土台をしっかり作らないと 本当の読みとる力はつかないと思います。
授業の後、教諭に説明したら、納得していましたが、 私立の学校はとにかく先生が忙しく、 とても多読の図書の知識をつけたり自分で多読をやってみる時間はなさそうです。
一人やる気のある若い先生が、電通大の多読サークルに見学に来られました。 酒井先生にメールリンクにも招待していただいて、他の学校での多読の取り入れ方も 意欲的に勉強しようとしています。
彼女のように本当に多読のやり方を理解してクラス運営をする先生が もっと増えてくれるといいと思います。
折角授業として多読の時間を確保されていて、 しかも図書にも多額の予算が付いている様子なので、 本当の多読の面白さを生徒に分かってもらえるようなクラス運営を私もお手伝いできたらと思っています。
2012-02-23 PageTop


多読と不安、続き

月曜日クラスの様子が気になって、火曜日のクラスの多読の際も新しいORTのシリーズを読んでもらいました。 「わからない」という反応はなかったのですが、新しいシリーズの音声には、ページ送りを知らせる合図の音が入っていないことが、 子供たちにとってちょっと不安になる材料だったことが分かりました。
また、中3のクラスで読んでもらって感想を聞いたら、ちょっとストーリー展開が急だったり唐突だったりして分かりにくい、 日ごろ見慣れていない単語が使われている、とかなりはっきりと分析してくれました。
音声をチェックしていなかった私のミスですが、今まで読んでいたORTのシリーズと、ちょっと雰囲気が違うことを 違和感として敏感に感じて馴染めなかったのかなと思いました。 自力読みができるようになった子は、逆に今までと違った雰囲気を楽しんだようでした。
中3のクラスでは、長文が苦手だった子が、都立高校の過去問をやってほぼ満点だと嬉しそうでした。 先週持ち帰った「True Stories」が面白くて、150語位のトピックを、10話読んできていました。 多読の効果が面白いように出てきたようで、本人もそれを感じて、また読んでくる、と同じ本を持ち帰りました。
今日、電通大の多読クラスに行きましたが、酒井先生は参加者に、絵をよく見てね、英語なんか関係なく楽しんでね、と口添えしていました。 私が、一度読み終えた「ダ・ビンチ・コード」をまた読んでいたら、「それ読み終わってなかった?」と聞かれたので、 実は良く分からないところがあって読み返していたのだと答えたら、「僕も2度よみました。」と言われました。 何度読んでも、わからないところがあっても楽しければいいんだよ、というメッセージをもらって、安心できました。 私はストーリーの面白さに引っ張られて一度読みましたが、知らない言葉がたくさん出てきてあやふやなイメージしか持てませんでした。 でも、2度目に読んでみて、辞書なんか引かなくてもいいと思えるくらいクリアなイメージを持つことができています。
面白い本は何度でも読みたくなります。それを応援するのも多読のやり方です。 楽しいと思えるのなら難しい本でも何度でも読んでいいんだよ、と安心させてあげることがとても大事だと学びました。
また、最後まで良く分からない言葉はそのままかもしれませんが、それも良しと思える気持ちを育てることも大事です。
私たちが生きている世の中、知らないこともたくさんです。 でも、それで成り立っています。 そんなスタンスでいいんだと子供たちを安心させることが大切だと、自分も同じ立場に立って感じました。
2012-02-01 PageTop


多読と不安

多読を取り入れてから、今までに、一人だけ生徒さんが多読を理由に教室をやめられました。 正確には、多読やBBカードのようなあやふやな進め方にどうしてもなじめなかったようです。 小学高学年になっていた子ですが、きっとABCを書いたり、文法的な説明をしてもらって 勉強したかったのだと思います。
私はその子だけ例外だと思っていました。 ところが、昨日のレッスンで、多読の危うさを垣間見ました。 昨日は多読とBBカードの日で、子供たちはこの日をいつも喜ぶのですが、 昨日のクラスでは、既存の生徒さん2人と新規の生徒さん2人でいつもと様子が違いました。
新規の生徒さんは多読に慣れていないせいか、ORTの一番下のレベルの本を、「わからない」 と言って読もうとしませんでした。 そうすると、今まで自由に楽しんでいると思っていた既存の生徒さんの一人が、 新しく買ったORTのStage2の本を読みかけて、「わからない」 と言いだしたのです。
たまたま、その子は保護者の方から多読の方法について問い合わせがあり、 見学に来ていただくことになっていましたが昨日は来られませんでした。 もしかしたら、お家で、ちゃんと読めないことを指摘されたのかもしれません。 絵を見て視覚的に楽しんでいたので、多少長い本も読んできていて心配したことがなかった子でした。
多読で学んだことのない私たち親の世代にとって、多読で本当に英語が使えるようになるのだろうかと 不安になるのはもっともだと思います。
私も、以前から多読の事を聞いていても、実際に講習会に行ったり、ほかの英語講師と情報交換をしたり、 自分や自分の子供が多読に取り組んでその成果を実感するまでは、レッスンに取り入れることはできませんでした。
ただ、少しずつ多読を取り入れたときに、子供たちが想像以上に楽しんで、みるみるいろんな本に手を出していくのを見て、 また、中学生が多読で力をつけ、英検に受かっていくのを見たり、長文をやすやすと読みこなすのを見て、 多読は楽しいだけではなく、一番近道で力をつけるやり方だという確信に変わってきたのです。
久しぶりに多読の最初のところで引っかかる子供を見て、 自分のやり方を考える機会になりました。
英語に初めて触れるのだから分からなくて当たり前だということをまず分かってもらう。 そのうえで、音を聞きながら本を開いて絵を見ることを楽しんでもらう。 自分の好きな本をどんどんひたすら聞き読みしてもらう。 あるとき、あ、わかるかも、と気付いてもらう。
「あ、わかるかも」という瞬間が来ないと、結果を出して満足したいタイプの子供には苦痛になると思います。 それを待てるか、そばにいる保護者の方も、焦らずに待てるか。
そのためには、もっと多読について、子供にも保護者の方にも常に説明していかなければいけないと思います。
酒井先生たち多読を進めている学校の先生方も、今、いかにデータ化するかを頑張っています。 多読の効果を数値に表すのは難しいです。進み方がそれぞれなので。 でも、少しずつ実績を出している学校が、何年分かの生徒の読語数と偏差値の変化などをグラフにしつつあります。 そうやって、感覚に頼りがちな多読の効果をより説得力のある資料で証明しようとしています。
小学生から多読をやっているところはまだそんなに多くないし、テストも受けないので、 そんな説得力のある資料はできないかもしれませんが、英検を受けてみるのは具体的に力を試せていいかもしれません。
ただ、そうやって、まだ形に出る前の子供に受けさせるのは逆効果なので、 難しいところです。
結果を早く出したい子供、大人には向かない方法なのかもしれないと思います。 多読は万能ではないですね。
2012-01-31 PageTop


絵本の会*1月度

昨日、コスモピアさんで1月度の絵本の会が催されました。
月に1度集まって、1冊か2冊のテーマ本を活用したアクティビティを各自考えてきて会で話し合って文書にまとめてインターネットの出版社サイトで発表します。
今回は出席者が5人と少なめでしたが、2冊選んだ本のうち1冊目で2時間が過ぎてしまい、2冊目はさらっとしか話しあえませんでした。
私のクラスでは、絵本を使ったアクティビティはあまりやりませんが、 集まった先生の中にはベビークラスや幼稚園クラスを多く持つ方もいて、 私とは違う視点で絵本を活用していて、勉強になります。 私はクラスではどうしてもストーリーや絵を重視した本を選びがちですが、 今回はライムの効いた絵本を取り上げたので、言い回しの音を楽しみながら動詞や副詞をさまざまに変化させて楽しむアクティビティなど皆からいろいろな意見がでました。
誰かが考えてきた素案を、みんなで話し合って更に広げてアクティビティを作り上げて行く作業はかなり楽しいです。 アクティビティを全部やろうとすると時間がかかりますが、エッセンスを抜き出してレッスンに取り入れたりもできます。
何事もそうですが、参加してみると新しい発見があるものです。
このところBBカードの定例会に行っていないのですが(ちょっと閉鎖的な雰囲気を感じて避けていたところがあります) たまには行ってみたらまた新しい発見があるかもしれないと思います。
この絵本の会で中心になっている英語講師の方はとてもやる気があって、 コスモピアさんで出版する雑誌に載せるための、映画公開のため来日している「Magic Tree House」の作者へのインタビューをしたばかりでした。 英語教育関係の取材にもよく応じていて、だんだん知名度を上げて行きたいそうです。 そんな彼女の熱意には刺激を受けます。
他のメンバーが私のようなのんびりスタンスなので会は和やかに、でも活発に進められています。 多読に行きつく英語講師はとかくのんびり焦らずに、という姿勢になりがちですが、いろんな人と交わることが大切だと思いました。
次回も2冊の課題が出ました。 その本をどう生かすか考えるのは毎回大変ですが、楽しみでもあります。
2012-01-19 PageTop


センター試験

入試センター試験が実施されました。 早速今朝の新聞で英語の問題を確認しました。 去年より簡単になっている気がするのは、自分の多読の効果のせいか?(いやいや)
一問目の発音、アクセント問題が、多読では良く目にする単語ばかりで、去年より良識的になった気がします。 どの問題も長いのですが、ひねりや難解な言い回しがなく、斜め読みしても素直に解答できる問題ばかりでした。 多読をやっていないと問題全部に目を通すのも難しいのではないかと思います。 最初に問題を前にしてめげてしまいそうな文章量です。
たぶん、ORTのStage9レベルが読みこなせれば簡単に感じるのではないかと思います。 また、英検に似た傾向があり(英検の方が単語が難しくひねりもある)、多読と相性がいい内容だと感じました。
リスニングは音声を聞いていないので速度が分からないのですが、かなりの長さの英文を聞いて答えを選択するので、知らない単語でつまずいてしまうと聞き取れない可能性があります。 聞き読みで音声に慣れていないと難しいかと思います。
時代は使える英語にシフトしている印象です。 昔のように文法問題を解いて、単語帳を必死で覚えて、という勉強ではなく、英語のまま理解して即座に答える能力が必要になっていると思います。 中学や高校がそれを広く認識して、多読を授業に取り入れて行ってくれたらどんなに有効かと思います。
一部多読の効果に気付いて授業に取り入れている学校もあります。 子供たちには、そういう選択もできるようになって心強い限りです。
2012-01-15 PageTop


新しい年

新年が明けてもうはや12日がたってしまいました。 お正月休みが長く、復帰できるか自信がなくなるほどゆっくり過ごしてしまいましたが、 いざレッスンで子供たちと顔を合わせると、はじけるような生命力、好奇心にエネルギーを満タンに頂きました。
初日は9日の休日に月曜、木曜日の合同でレッスンをやりました。 小学生クラスは、いつも2人でやっているクラスと5人でやっているクラスの合同で、 どんなふうになるのか興味があったのですが、 お互い初めての顔合わせでないこともあり、多人数クラスのだいご味を存分に味わうことができました。 欠席した時に他のクラスに振り替えてもらっていることが、とてもよく作用しています。 声もいつもより出て、「絵で見る英語」も、言い替えまで沢山言えました。
BBカードもいつもより時間を取ってお正月気分で楽しもうと思っていたのが伝わり、 どのゲームも盛り上がりました。
特に、私も入って8人という大人数でやった「1・2・3」は雪崩が起きて楽しく、 「Break the T」も、いつものように人のカードを避けて言うのが無理なので、 カードを組み合わせてどんどん言っていき、聞く方も注意深く自分のカードが読まれていないかを聞いていて効果的でした。
火曜日クラスはいつものように3人でしたが、出欠の時に一人がぽそっと「今日はゲストがいないのか」と残念そうだったので、 混合でやるのもたまには刺激になっていいと再認識したところです。
その火曜日クラスでは、じっくりとダイヤマークのワークブックをやりました。 最初は文章を発音しながら書くだけにしようと思ったのですが、 そのうち目的語を変えて文章を書き始めた子につられて、最後には主語を「I」にして、 お正月に買ったものを作文していました。 もっとやりたがったのですが、そこはすぐにBBカードのゲームに移って余韻を残しました。
月曜日は、中1クラスと6年生クラスも前半を合同で行いました。 多読30分と、BBカード。 BBカードは始めたばかりの6年クラスはセンテンスを読むだけ、中1クラスは全部現在進行形にして読んでいきましたが、 そのうち6年生も要領を得て進行形にして言っていて驚きました。
作文もそうですが、文法的な難しさって実はあまり関係なくて、子供はどんどん応用していけちゃうんだな、と思いました。 イメージがはっきりするBBカードは、そのイメージを利用して、イメージと言っている言葉がしっかりリンクしているので、 机上で練習問題をこなすとは全く違う入り方をしています。
言いたいことをそのイメージに重ねてしまえば、自分で文を組み立てることができる。 たくさんゲームをすることで考え込まなくても自然に口から文章が出てきます。
以前、娘が、「多読だけではだめだと思う。自分の英語の力はやっぱりBBカードで遊んだことも大きい。」と言っていたことが なるほどと思えます。 新年早々、子供たちにあれもこれもやってみてほしいと頭の中でプランが広がって楽しみで仕方ありません。 今年もよろしくお願いいたします!
2012-01-12 PageTop


絵本読み聞かせの会

先週の日曜日、月1回行っているコスモピアさんで、クリスマス絵本の読み聞かせの会がありました。
午前と午後、2名ずつの講師が、絵本を数冊ずつ持ち寄って、子供たち相手に絵本を読んだり、絵本にちなんだアクティビティをしたりしました。
私は、子供二人を連れて午後に行きました。
行ってから、しまったと思ったのは、来ている子供たちが幼稚園児や小学校低学年の子供たちが多かったことです。 小3と小6の私の子供は、いきなり振付で歌を歌い始めた時点で相当引いてしまいました。 私は、講師を知っていて、一人はいつも一緒に絵本の会で話し合う人、 もう一人はSEGでも有名な宮下いずみさんだったので、たくさんの絵本をひたすら読んでもらえるのかと思っていたのです。
結局、絵本は3冊ずつ位読んで、後は、キャンディーを使ったリース作りをしたり、ジェスチャーをしながら"Twelve Days of Christmas"を歌ったり、スノーマンを作ったりというアクティビティがほとんどの時間を占めました。 後半は私の子供もちょっと楽しそうに作ったり話を聞いたりしていました。
私は、昔まだ教えている子供たちの年齢層が小さかった頃、こんな風に歌ったり作ったりしていたなあとなんだか懐かしく思いました。 また、作ることは何歳になっても楽しめるんだなということも分かりました。
娘には、その場にあった展示用の絵本を読んでもらって、面白かったものを教えてもらいました。 多読用でない絵本は、当たり外れがあるので、子供の目線で選んでもらい、早速帰ってからAmazonで注文しました。 (すみません、コスモピアさん。本当は会場で買わないと利益が出ないですよね)
年に一度のクリスマス、私もレッスンで、ちょっと簡単なアクティビティをして楽しんでもらおうかなと思います。
会場のあった初台のオペラシティには大きなクリスマスツリー。 クリスマスって、やっぱり何だかウキウキしますね。
2011-12-14 PageTop


酒井先生の「だれでも多読」

毎週水曜日、午後5時から7時まで、電気通信大学の「だれでも多読」に通って、はや2年数か月になります。 毎週必ず行くのが習慣になっていて、今では息子とその友達が酒井先生にほっぺをムギュされるかどうかのバトルを楽しみにしています。
息子と本気で戦う先生を見ていつも思うのですが、多読を支援する時、どんな人のどんな小さな進歩も一緒に喜んで、 自分もウキウキしている先生は、ずっと少年のような情熱を持っているんだなということです。
今週は、帰るところに不意打ちで後ろからほっぺをムギュして、「2勝一敗」と叫びながら逃げて行く酒井先生に、 小3の息子も口をあんぐり呆れていました。 それはさておき、先生は今年3月に電通大を定年で退官されていて、今は嘱託としてクラスを持っているのですが、それも来年3月までの契約になっています。 そのあと、膨大な多読用の図書を置けて、多読の拠点になる場所を、今探しているところです。
なぜ多読でこれだけ有名な先生が他の学校から引き抜かれないのか不思議なのですが、 先生としては自由に自分のやりたいことをできる場所を探しているのかもしれません。
私は自分の住んでいる市の新しい図書館に来てもらえたらと思い、先週から図書館に話をしに行って、何ができるかを検討してもらっているところです。 来週には先生も一緒に行って、図書館の人に働きかけることになっています。
多読は、言語習得というよりは、物語が描かれた言語で作品を楽しむことが一番の目的だと思います。 昔読んで感動した話を翻訳ではなく読むことができるのは、本当に素晴らしいことです。
言葉は生きているものなので、そのまま理解できることが一番です。 多読は、一番近道で、年齢も問わず、楽しい方法なのですが、個人でたくさんの図書をそろえるのは無理で、是非図書館に多読図書を置いてほしいと思います。
武蔵野市の図書館でそれが実現すれば、他の自治体に働きかけている多読推進の団体にも弾みになると思います。
先生は、余り期待しすぎないように少しずつ理解を求めて行こうと言われています。 まずは、この図書館で多読の会を定期的にできるように体制を作れたらと思っています。
2011-12-09 PageTop


絵本読み聞かせ

月に1回、コスモピアという、児童英語教育に関する出版物を扱う出版社で、英語絵本を活用するワークショップに参加しています。
出版社としては、英語の絵本を販売する際に、家庭や英語教室、学校などでどのように活用できるかを提示して更に購入してもらいたい、 という思いがあり、私や、他の参加メンバーは、実際に本を手にとって、各自活用方法を考えてきてその場でシェアすることで、 自分のレッスンでも活かせるというメリットがあります。
何より、その場で、自分たちのやって効果があった事例や、逆にうまくいかない事例をみんなで話し合うことに、とても意義があります。
11月の絵本は、”Quick as a Cricket"という絵本でした。 大きめの本で、何より絵が素晴らしい。 英語教師観点で言うと、形容詞がふんだんに出てくる、子供たちに絵で形容詞を感じてもらえるいい絵本です。
私は、会があった時点ではこの本をまだ自分のクラスでは読み聞かせていなかったのですが、 すでに読み聞かせていた先生が多く、その反応は、ページが多すぎて途中で飽きてしまうので、いかに集中するように読むか、 または、何回かに分けて読み聞かせるか、という話でした。
ところが先週一週間、各クラスで読み聞かせてみましたが、飽きるということはありませんでした。
みんな絵に集中。"I'm as quick as a cricket." "I'm as loud as a lion." という風に、一つの絵に対して1センテンスを22回も繰り返していくのですが、 最後に、"Put it all together, and you've got ME!"で終わり、 子供たちはその文章をしっかり味わって感想を口々に言ってくれました。
最後の文章については"got"をそのまま解釈している子が多かったのですが、 "me"に引っかかって、"自分に、ってことだよね。"と確認する子や、 "自分が全部持ってるってこと?"と、正確に意図を読み取っている子もいて驚きました。
他の先生が自分のクラスで読んだ印象では、まず絵をしっかり見ないので飽きてしまう、繰り返しが多すぎる、ということでした。 私の子供たちは、多読をしっかりやっているので、絵を見てそこから感じる力が付いているんだと密かにガッツポーズです。
多読では、この絵本の良さは味わえない。 みんなで大きな絵を一緒にシェアする方が断然生きてくる本たち。
できれば、またもう一度この本は読んで聞かせたいです。 前とは違った感じ方ができる、何度も読みたい本の一つです。
2011-12-06 PageTop




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